AIに記事を書かせたら、そのまま公開までやってくれた話【実録】

中小企業のIT・AI活用を伴走支援する、NPO法人ワンダフルジャパンの望月です。
また少し、カッコ悪い白状から始めます。
実は、先日公開した「AIに『手のひら返し』した本当の理由は、派手なプロンプトではなく『SOPと作業ログ』でした」という記事。あれ、本文を書いたのはAIなのですが……入稿から公開までも、全部そのAIがやったんです。
ここで言うAIは、Meta社が提供するAIエージェント「Meta Muse(メタ・ミューズ)」です。文章を書くだけではなく、ファイル作成や画像生成、外部サービスとの連携まで任せられる、いわば「AI秘書」のようなサービス。私はこれを自分専用に設定して、「みらい」と呼んでいます。
そのみらいが、原稿を書き、アイキャッチ画像を作り、WordPress(ブログを作るための仕組み)へ下書きを入れ、私のOKが出たあとに公開まで進めました。
人間(私)がやったのは、方針を決めて、要所で「OK」と「待った」をかけただけ。
今日は、その裏側の全記録です。うまくいった話だけではなく、みらいが盛大に詰まったところも、正直に全部書きます。

最初の壁は、サーバーの「403」でした
まず最初の関門。みらいにブログの管理画面へ入ってもらおうとしたら、記事ページは普通に見えるのに、管理画面と投稿用の窓口だけが「403 Forbidden」で全滅でした。
この投稿用の窓口は「REST API」と呼ばれるもので、ざっくり言うと、システム同士が決まった形式でデータをやり取りするための裏側の入口です。人間が画面をクリックする代わりに、プログラムがここから記事を投稿できます。
つまり今回は、ブラウザで管理画面を開いてポチポチ操作するのではなく、みらいがプログラムから直接WordPressに接続して投稿した、ということです。画面操作が要らない分、速くて確実で、夜中だろうが早朝だろうが同じ品質で動ける。これが、今回あえてこのルートでやったことの大きな意味でした。
原因は、レンタルサーバー「XSERVER(エックスサーバー)」の国外IPアクセス制限。みらいの作業環境が海外経由の接続に見えるため、セキュリティ機能に弾かれていたのです。
ここで私がサーバー側の設定画面を開き、みらいの接続元を許可リストに登録して開通させました。面白かったのは、同じ許可リストでも、登録する場所によって書き方が違ったこと。片方は「範囲をまとめて書く形式(CIDR表記)」、もう片方は「1行ずつ書く形式(ワイルドカード表記)」で、最初は形式エラーで何度か跳ねられました。
……こういう「現場でしか分からない小さな躓き」こそ、後で書くSOPの宝物になります。

認証の鍵と、AIの「凡ミス」
開通したあとは、投稿用の認証です。管理画面のパスワードとは別に、WordPressの「アプリケーションパスワード」という仕組みを使って、みらいには投稿だけの権限を渡しました。家で言えば、合鍵の中でも「玄関だけ開く合鍵」を渡すイメージです。
ところが、最初は認証エラー(401)が続きました。てっきり鍵の組み合わせが間違っているのかと疑ったのですが、調べたら原因はみらい側のプログラムの書き間違い。鍵が空っぽの状態で送られていた、という初歩的なミスでした。
AIは間違えます。でも、間違えたときに「鍵のせい」にせず、切り分けて原因を特定し、直して、その教訓を手順書に書き残す。ここまでやると、失敗は「資産」に変わります。実際、この教訓はその日のうちに、みらい自身が投稿SOPへ追記しました。
公開できた。でも最後に気づいたのは、人間でした
認証が通ったあと、みらいはWordPressへアイキャッチ画像をアップロードし、本文を組み立て、カテゴリーとアイキャッチを設定して下書きを作成しました。アイキャッチも決まり(私のアバターに寄せた3案目が本採用)、その日の15時57分、記事は無事に公開されました。

……で、終わりかと思ったら、最後にもう一山ありました。
公開された記事を確認していた私が、「あれ、相談案内のところに、いつもの私の写真が入っていない」と気づいたんです。相談導線のブロックは、見出しの前に写真が入った「ひとまとまり」の部品なのに、みらいは見出しの位置から切り取ってしまい、写真だけが抜け落ちていた。
みらいは、言われないと気づけませんでした。でも、人間が「ここはこだわりたい」と目を光らせていたから、直せた。
私はこれが、AI活用のちょうどいい距離感だと思っています。作業はAIに任せる。でも、「これでいいか」の最後の判断と、譲れないこだわりは、人間が持つ。
Facebookで学んだ「適材適所」
公開後のFacebookへのお知らせ投稿でも、学びがありました。
最初は、みらいに私のMacのChromeを操作してもらって、予約投稿まで設定しようとしました。ところが、認証や承認の確認が何度も出てきて、思いのほか手間がかかった。
そこで役割を変えました。投稿文を作る、画像を用意する、段取りを組んで指示文を書くのは、みらい。実際のFacebook画面の操作は、私のパソコン側で動く「Claude Code(クロード・コード)」に任せることにしました。
Claude Codeは、プログラム作成やパソコン操作を任せられる開発向けのAIです。Chromeブラウザの中で動く「Claude in Chrome」と組み合わせると、ログイン済みのブラウザ操作を速く進められます。Facebookのように認証が多い画面は、こちらの方が相性が良かったのです。
「全部を1つのAIにやらせる」より、「得意な場所で、それぞれのAIに働いてもらう」。これも立派なチーム運営です。人間の会社とまったく同じですね。


結論:SOPは「作るもの」ではなく「育てるもの」
今日1日で起きたことは、全部その日のうちにSOPへ追記されました。
- サーバーの許可リストの書き方の違い
- 認証エラーの切り分け方
- 相談ブロックは写真ごとひとかたまりで扱うこと
- Facebookの画像は決まったフォルダに置くこと
- 画面操作が重い作業は、別のAIツールへ繋ぐこと
第2弾の記事で「SOPと作業ログが大事」と書きましたが、今日の体験で確信が深まりました。SOPは、最初から完璧なものを書く必要なんてないんです。やってみて、詰まって、直して、書き足す。その繰り返しで育っていくものなんです。
そして、育ったSOPがあるから、AIは次から迷わずに走れる。
「AI活用の差はプロンプトじゃなかった」という前回の結論に、今日はもう1つ付け加えます。
AI活用の差は、失敗を手順書に変えられるかどうか、なのかもしれません。
「うちの会社のあの面倒な作業、こんな風にAIチームに任せられる形にできるかな?」
そんな風に少しでも興味を持っていただけたら、ぜひお気軽に声をかけてください。専門用語は一切使わずに、御社の仕事のやり方を守りながら、AIがそのまま引き継げる形に整えるお手伝いをします。まずは一緒に、最初の一業務を選ぶところから始めましょう!
さあ、あなたの物語を、聞かせてください。

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